大いなるノーフィッシュ達 〜KNBオープン2017〜

KNBのメンバー達が、事前から一丸となって作り上げた「ルアーウェブショップ・カップ KNBオープン2017」。

普段は、楽しみながらも自分たちの順位を気にしながら本気に釣りと向き合っている連中が、この時ばかりは「来た人を楽しませよう」という思いだけで動く。

 

考えてみれば不思議な大会である。

 

KNBのメンバーはこの大会に出るために、そして大会前から準備に追われ、他の参加者と同じ参加費を払い、大会中はスタッフとして働かされ、僅かな時間だけ釣りをする。

 

釣り人として考えれば、何の得もない大会。

 

「釣り出来ないのに、金だけ払ってバカらしい」

そんな声が出てきても全然不思議ではない。

 

なのに誰一人、そんな声を聞かない。

 

「みんな、すげー喜んでたよ」閉会後、満足そうな顔ばかりがそこにはあった。

 

ここでは、大会の模様については触れない。

大会の内容については、是非今後更新するKNBのサイトで見てやってください。

 

前準備を含めると5ヶ月以上前から動いていた。

個人的にはとにかく「自治体を巻き込みたい」「宇城市にバス釣りを振り向かせたい」と思って行動してきた。

 

江津湖のリリース禁止条例の時には、全てが後手に回っていた。

全てが決まりかけてからでは遅いということは学んでいる。

 

外来種には厳しいご時世だが、その一方でバス釣りが持つ魅力や経済的有用性に気付いて、活用しようとする動きも散見できる。

ニジマス等の漁業的に有用な外来種は「産業管理外来種」として利用する動きもある。

 

だったら、観光や経済に有用なものと認められれば「経済的管理外来種」があってもいいんじゃないか?

 

自分一人では何もできないけれど、そのきっかけづくりを人を多く集められるKNBオープンというソフトを使えば、それが出来るんじゃないか。

 

常にそう思い続けていた。

 

 

 

 

バス釣りで多くの人が集められる。

バス釣りでフィールドをきれいにできる。

バス釣り大会でマナーを教えられる。

バス釣りでお金を落とすことができる。

親子で身近に楽しめるバス釣りが出来る、こんな素晴らしいフィールドが宇城市にはある。

 

バス釣りにはそんなパワーがあるんじゃないか。

 

そんな思いを守田・宇城市長に訴える機会が得られたのは、今回の前準備でものすごく大きな出来事だった。

 

萩尾大溜池を管理する一ヶ町外土地改良区からも使用許可の快諾を頂き、そして宇城市の後援まで取り付けることが出来た。

「バス釣りには、町を活性化させるパワーがある」という主張を受け入れてくれた。

 

直前の一ヶ月間はとにかく忙しい毎日だった。

WEBの更新、エントリーの受付。スポンサー絡みの交渉、ゲストとの連絡。当日の大会集計システムの構築。大会当日に使用する備品の制作…。

 

これらを本業の合間にこなすのは、睡眠時間を削るほかなく、釣りをする時間さえも削ることになる。

 

釣り人なのに、釣り大会のために釣りする時間を削るという本末転倒な展開。

 

しかしこの大会についてはそれでもいい。誰もがそう思っている。

 

大会の二日前に行われる恒例の賞品の集計と賞品分け。

届いた膨大な賞品を数えて振り分けていく作業は楽しい反面、ものすごく大変。

この日も終わったのは日付をまたいだ時だった。

 

 

大会前日のステージ組立。

現場仕事がメインのメンバーらがテキパキと組み立てていく様は本当に圧巻。

逆に私みたいなデスクワーカーには、まったく手が出せない部分。

「ほら、おっさんは邪魔!」と言われて横で見守っておくしかない。

 

しょうがないので、ゲストでやってきた痴虫と二人で湖岸に落ちているゴミ拾い。

大会前日に湖岸の危険箇所はないかの再チェックをしながら、南岸と北ワンドまで歩いてゴミを3袋分、えぐったりました。

当日は運営やってる立場だとゴミ拾いに参加できないのでちょうど良かった。

 

 

 

そして大会当日。

KNBとしては始めて見る光景。99人が揃うという、我々スタッフの立場でも「前人未到」の領域。

駐車場の確保は大丈夫なのか。これだけの人を管理できるのか。

様々な不安や懸案点があったが、事前からスタッフが意見交換をしあって、当日まで様々な可能性について話し合ってきた。

 

例えばこのロープ。

本湖・南岸の急な角度の滑りやすい危険な場所。

今回の大会では釣りの初心者も子どももやってくる。

あらゆる場合を想定し、滑りやすい2箇所にロープを張って渡りやすくした。

これもメンバーの発案。

 

これらすべて大会当日に参加者に負担をかけないよう、様々なアイディアを出し合い、より快適な大会になるようにと話し合いを続けた結果だ。

 

 

開会式に代表者挨拶としてステージから見た風景、そして「人間ドローン」として俯瞰から見た景色は、そんなみんながやってきた苦労と努力の結晶な気がして、すごく感慨深かった。

 

集計時に想定していなかったヒューマンエラーが出て、あわや全ての集計が手作業になりそうな事態に陥り、その復旧でてんやわんやするというイレギュラーな事態が発生し、トークセッションを延ばさざるを得ないという事態は起こったものの、それでも全てのスタッフが自分の仕事を押し通し、予定よりスケジュールが押してしまったものの、ケガ等のトラブルもなく全てのスケジュールを消化できた。

 

これら全て一人で出来たことじゃない。

KNBの有志全員で出来たこと。

 

誰もが参加費を払い、競技よりも優先してスタッフとしての仕事を行い、わずかな時間だけ釣りをして…、いや一切釣りをしなかったメンバーも多数いる。

にも関わらず、誰一人文句をいわず、みんなこの大会の成功を喜んでいる。

 

順位表に並ぶ、多数のKNB勢の「ノーフィッシュ」の羅列。

それぞれが競技中も検量スタッフとして働き、駐車場整理をして、事前準備をして…

もちろん誰ひとりプラクティスなんてやる時間なんて無かった大会。

 

これら全て、この「大いなるノーフィッシュ」達のおかげです。

 

 

今回の大会の成功で、少しだけ。本当に少しだけではあるが、自治体にバス釣りのすごさを気付かせられたと思う。

いや、まだほんのちょっとだけ、こちらを向いただけのレベルかもしれない。

 

でも確かに、こっちを見てくれた。

 

これはもう続けるしかない。

 

バス釣りってこんなに素晴らしいんだ。

人を集めるパワーがあるんだ。

親子で楽しめる、こんな素晴らしいレジャーをする場所が宇城市にはあるんだ。

 

 

どうです?すごいでしょ?

 

そう言いたい気持ちです。

 

ずっとこの大会に参加してくれている水屋さん。

ずっと参加してくれてるけどずっとホゲりまくってる水屋さん。

でも、彼の家族が閉会式の時に、まるでピクニックにでも来てるかのようにレジャーシートを敷いてそこにいる様を見て、この大会のコンセプト「誰でも楽しめるオープン大会」が間違っていないと確信できた。

 

決して勝ち負けだけじゃない。バス釣りの持つ素晴らしさをこの大会に全部詰め込みたい。

 

そんな思い続けていたことが今昇華しようとしていることが、今回ゲストで参加してくれたレアリスプロスタッフの酒井俊信さんからいただいた感想でも実感することができた。

「大会っていうとみんな勝ちにいくというか、ギスギスした雰囲気だったりするんですけど、この大会はいいですね。あたたかい雰囲気で」

はじめて参加した大会で、そんな風に感じていただけたのなら、これはもう望外の喜びです。

 

 

なにより、こんなにも素晴らしい大会を作り上げてくれた仲間たち。

そして、それを作り上げるためにサポートしてくれた、協賛各社の皆様には本当に感謝しかありません。

 

私は開会式でも閉会式でも挨拶しちゃって、ここの代表みたいな印象あるかもしれませんが、それは間違いです。

代表のSHINGOをはじめ、彼を軸としてKNB全員で作り上げた大会であり作品です。

ここまで立派な大会が出来たら、私もまた隠居生活に戻ってもいいのかもしれないw

 

「また来ます」と言ってくれた皆さん。

 

釣り場でケガなんかしないように。命を落とさないように。

ちゃんと帰って、また釣りに行って…

 

それを繰り返して、また来年この大会でお会いできればと思います。

 

知ってる名前、知ってる顔。

それが大会ごとに増えているのがすごくうれしいです。

 

「楽しかったです」

そんなひと言が、私たちの次への励みになります。

 

ありがとうございました。

 

コメント

ご紹介いただき光栄です。水屋です。

今年も揺るぎないホゲの記録を重ねることとなりました。
単純に釣りの大会であれば、何度もホゲっていれば出場する気持ちも無くなるかもしれませんが、私はKNBオープンが大好きです。皆さんが作り上げたあの大会の中で過ごす時間は、本当に特別です。

毎回のホゲは正直残念ですし、悔しいというのが本音です。
けれど今回も、楽しい時間を過ごして心を満たして帰ることが出来ました。

ネット上で事前に、エリアの安全情報や注意点を確認できるようにしていただいたこと。
日の出前の暗闇の中、安全に駐車場まで誘導していただいたこと。
手際よくスムーズに進行していただいたこと。
安全に配慮していただいたこと。
着ぐるみやゲスト、人間ドローンといった楽しさや驚きがあったこと。
他にも「良かったなあ」と、思い出すことは沢山あります。

協賛の多さには毎回驚かせられますが、今年は特に宇城市が後援ということに驚きました。外来魚を取り巻く環境を考えれば、[後援 宇城市]と掲げられたことはとても大きな意味があると思います。

KNBの皆さんの配慮や活動にはただただ頭が下がります。釣りは老若男女が楽しめるものだと思います。でも、老若男女が一緒に楽しく安全に楽しめる釣りの大会となると話は大きく変わります。そんな大会を毎年開催している皆さんにはとても感謝しています。ありがとうございました。
今回はりまるおんさん、hiRo_くずさんと少しお話ししただけですが、本当は皆さんとも話してみたいと思っています。釣りがうまいのはもちろんですが、とにかくキャラクターが濃い人など、私の憧れの存在です。

今年はテレビから、「このホゲーッ!!」「ちーがーうーだーろーっ!!」と何度も聞こえてきてとても驚きましたが、何も違ってはいませんでした。間違いなくホゲでした。
もう水屋ではありません。ホゲ屋です。

私の投げたルアーを、今年もバスは食べてくれませんでした。
私がもらったお弁当は、今年も妻と娘に食べられました。
根こそぎ釣りたくて投げたネコリグも、今年もバスは食べてくれませんでした。
参加賞でいただいたお菓子は、今年も娘に根こそぎ食べられました。
そんな3人で楽しくお弁当を食べました(私は妻が作ってきてくれたおにぎりを)
家に帰ってからは、ホームページにアップされている3人で写っている写真を見ながら盛り上がりました。
そしてこのりまるおんさんの記事の水屋を見て、妻は笑っていました。

ただ、一つだけ残念だったのは、りまらばの新作を拝見できなかったことです。
日本で唯一の...ではなく、日本有数のりまらばコレクター(自称)としては、新作を心待ちにしております。


長々と失礼しました。
来年もわくわくしながら「水屋」でエントリーします。
渡されるカードの表記が「ホゲ屋」になっていないことを願いつつ。

  • 水屋
  • 2017/11/12 00:30

ホゲ屋さん
釣果は少ないのに、いつも長いコメントありがとうございます。
釣果はゼロなのに、いつもいただく文章は心にズシンと重く響きます。

皆さんに喜んでいただけた大会ですが、毎回反省点を改善しても、また新たな反省点が出てきます。
でも、改善への欲が「また来ます」と毎回言っていただけることに繋がっていると大きな自信になっています。
ただ、ホゲ屋さんも釣果的にちょっとは反省してくださいw

また来年、お待ちしています。

  • りまるおん
  • 2017/11/13 23:45